生まれたばかりの子犬とエベイユ

 2000.10.3改訂

 このページは繁殖の実際を参考資料としてお読みいただけるように記述しているもので、飼い主の皆様にお勧めするものではありまん。 
 ラブの場合6頭から10頭の子犬がいっぺんに生まれます。人間の子供がいっぺんに何人も生まれたのといっしょで母犬の飼い主は世話で寝る暇もありません。つまり、到底一人では世話をすることはできないので、家族全員の協力が不可欠です。
さらに1ヶ月以内に子犬の里親をさがさなければなりません。もちろん、母犬や父犬が繁殖にふさわしい犬であるかどうかも十分に検討する必要があります。
 
ラブを飼うともちろん子孫を残したくなりますが、その前によく考えてください。
交配 [発情]
 雌は、生後6ヶ月〜16ヶ月、一般に8ヶ月前後に最初の発情が来ます。繁殖を計画している場合、3回目の発情もしくは2歳過ぎてからが母胎のためによいとされています。
 発情周期は年に2回6ヶ月間隔が普通ですが、犬によって異なるので発情周期を調べる必要があります。

[交配を決める前に]
 交配を決める前に、双方の犬が股関節形成不全、股関節脱臼などではないか、フェラリアの予防をしているか、ワクチンをきちんと接種している犬であるかなどを確認する必要があります。さらに、近親繁殖でないかを血統証明書で調べる必要があります。なお、できれば血統のきちんとした相手を訓練所などで相談する方がよいでしょう。
 なお、交配前に必ずワクチンの接種、フェラリアの予防と駆虫が必要です。

[交配時期]
 通常交配時期は発情後11〜13日目です。個体差がありますので、発情20日でも妊娠することがありますので繁殖計画がない場合には注意が必要です。交配前には2〜3時間は食事を与えないようにします。

[交配相手]
 ラブラドールの交配は、血統の他にどんな毛色の子犬が欲しいかで相手を選ぶ必要があります。通常、ブラック毛色は優勢であるためイエローと交配してもブラックの子犬が生まれやすいと言われています。もしもブラックとイエローの2種類の子犬を欲しい場合、母犬がブラックの場合は血統を確認し、ブラックとイエローの間に生まれた犬だったらイエローと交配することにより2種類の犬が生まれる可能性がでてきます。
 さらに、よりラブラドールとして優れた犬にするために双方の欠点を補う交配相手を選びます。

[血統証明書]
 生まれた子犬の血統証明書が必要な場合は、交配の年齢が生後9ヶ月以上で、立ち会い人が必要です。このとき、交配時の写真も撮っておきましょう。かならず、母犬(父犬)をJKCに登録し、JKCの立ち会いの元に行います。できればペットショップやもよりの訓練所などに相談するとよい交配相手にも恵まれます。
 また、繁殖者(母犬の飼い主)は犬舎名を所有している必要があり、登録料がかかります。(JKCの会員であることが必須条件です。)子犬が生まれたら生後90日以内に生まれた子犬の頭数だけ一胎子登録します。さらに、繁殖者は、血統証明書に記載する頭数分の犬の名前を考える必要がありますが、通常犬舎での初めての出産ではAのつく名前に、2回目にはBのつく名前をつけて、名前の1文字目のアルファベットで何回目かが判るようにします。
  
< JKCの場合の費用 >
犬舎名登録料 6,000円
一胎子登録(生後90日以内) 2,000円
一胎子登録(生後90日以降) 5,000円
5代血統証明書 5,000円
   

[交配費用]
 交配費用は、通常交配相手に5万円ぐらいを支払います。もちろんJKCなどのチャンピオンであったり、AKCとの交配やベストブリーダーの犬であったりすると価格はさらに高くなります。交配回数、妊娠しなかった場合の再交配条件、料金などは、事前に交配相手のオーナーに確認しましょう。また、料金を子返しにする場合もあります。

[子犬の値段]
 ラブラドールの子犬は通常8万円〜15万円で取引されています。またAKCとの交配やショードッグ、または家庭犬基礎訓練済みの場合、20万以上で取引される場合もあります。
出産 [出産まで]
 交配後20日目に受精卵が着床します。この時期につわりがある場合があります。
 通常、出産予定日は交配63日の前後5日とされています。1週間前くらいから出産準備、体温測定を始めます。緊急の場合に備え、あらかじめ獣医にも連絡しておきます。助産が可能な病院は限られている場合があるので必ず事前に調べておきましょう。
 ラブラドールは、6頭〜10頭出産します。妊娠初期には放射線の影響がでるので胎児の頭数の確認は6週目以降にX線診断法で確認します。胎児の頭数や奇形などの確実な判定は出産5日前ぐらいがよいでしょう。また、超音波で診断することもできます。
 ラブラドールは、偽妊娠する場合もあり、ホルモンの関係で乳房が大きくなったり、お腹が大きくなることがあります。必ず、早期の妊娠診断を行うことをお勧めします。
 なお、妊娠中は交配後1ヶ月を過ぎてから幼犬用ドックフード(パピーフード)に切り替えます。6〜7週目より体内で子犬が急激に成長するので与える量を通常の2〜3割増にするととよいでしょう。ただし、肥満は難産につながります。激しい運動はさけ、毎日20〜30分程度の散歩を1日3回程度させます。安産につながりますので、お腹が大きくなっても短い散歩はさせましょう。

[出産準備]
 産室は、湿気が少なく、冷たいすきま風が入らない、母犬が落ち着ける場所を選びます。母犬が横たわり、子犬がはい回れるくらいの産箱も用意します。
 出産時には大変汚れるため、産箱にはビニールシートを敷き、上に新聞を10枚以上敷き詰めます。生まれた子犬が絡まると子犬が命を落とす場合があるのでタオルなどは敷かない方がベストです。
 また、出産時に必要な消毒用のぎゃくせい石鹸、タライ、沢山の新聞紙、沢山のタオル、万が一の場合のへそのおの処理用消毒済みのはさみ、糸、子犬の体重を測るためのはかり、ガーゼなどを用意しておきます。できれば、子犬を入れておくかごなどもあるとよいでしょう。
 緊急時のために獣医にあらかじめ、連絡を入れておきましょう。

[出産]
 ラブラドールは、安産である場合が多く、出産後に羊膜を破り、子犬をきれいにしたり、生まれた子犬のへその緒をかみ切るところまで母親は面倒を見ます。子犬は自然に母親の乳房を探して吸い付いて行きます。このとき、もし母犬が面倒を見なかったり、子犬が呼吸をしない場合には助産が必要です。
 出産後は、母犬を散歩に連れ出しその間に産箱の掃除と子犬の体重を測ります。帰ってきた母親には牛乳などを飲ませ充分に休ませます。また、母親の免疫を含んだ初乳を子犬に充分に飲ませます。このとき母親の体を清潔にしてから産室に入れます。

[出産後の子犬のケア]
 出産後から14日ぐらいまでは、母親が子犬の排泄物もなめてきれいにしますので、産床はよごれません。子犬は生後1週間ぐらいで出産時の体重の倍の重さになります。子犬は出産時の体重がまちまちです。小さい子犬には母親の母乳の出が良い下腹の乳をあてがうようにします。こうしてローテーションをこまめに行うことで子犬は同じぐらいの大きさに成長します。母犬の母乳には免疫が充分に含まれています。産後2日間はできるだけ母乳を与えるようにしましょう。
 子犬は生後13日目ぐらいから目が開き、耳も聞こえるようになります。
 離乳食は15日後ぐらいから開始します。犬用のドライタイプの離乳食(または牛肉赤みのミンチでもよい)を1回1頭に親指の爪くらいを少しずつ与えます。2〜3日経ったら、幼犬用ドックフードにお湯か水でふやかしたものに犬用ドライミルクを加えたもの(通常のドックフードを水でふやかしたものに犬用ドライミルクと牛肉赤みのミンチを加えたもの)を皿に入れて与えます。徐々に加えているドライミルクの量を減らしながら、生後35日をめどに幼犬用のドックフードをお湯か水でふやかしたものへ切り替えます。生後40日には固い幼犬用ドックフードを食べられるようにします。このとき、離乳が完成しても朝と寝る前にドックミルクを飲ませます。離乳期には同時に水を用意し、自由に飲めるようにしておきます。生後50日には固い幼犬用ドックフードと水を与えられるようになり、6ヶ月ぐらいになって成犬用ドックフードに切り替えるまで継続します。

[出産後の母犬のケア]
 産後母犬には、体力快復のためと母乳のために幼犬用ドックフードを4週間は与え続けます。産後2〜3日目に母犬が熱を出すことがあります。これを産じゅく熱といい、一時的なものです。原因は産道からの細菌感染によるもので、産室や母犬の体を清潔にしてやることが大切です。母犬は産後1週間ぐらいは膣から出血があります。2週間以上つづく場合には獣医に診てもらった方がよいでしょう。なお、母犬は産後子犬を育てるためにカルシウムが不足します。充分な栄養を与える必要があります。産後すぐに獣医に相談し、錠剤のカルシウム、できればビタミンなども母犬に補給してやるとよいでしょう。カルシウムが極度に不足すると、死に至る場合もあり注意が必要です。