好奇心がいっぱいでいたずらな子犬を育てることは大変です。特にラブラドールは、成長期にフローリングで生活をしていると 滑べりやすいためにしらずしらずのうちに足に負担をかけて股関節を傷めてしまうケースが沢山あります。 子犬をはじめて迎える方がこのページを見て参考になれば幸いです。  (2001.10.01改訂)
 
45日〜
3ヶ月
[子犬を我が家に迎えるとき]
 子犬は、午前中か、午後の早い時間に迎えます。できるだけ早くつれて帰り、汚れている場合は拭くか洗うかして、清潔にしてから犬用のミルクを与え落ち着かせます。子犬が休めるように、室内の隅にサークルなどで囲み、寝る場所として新聞紙かトイレ・シーツを敷きつめた場所を作り、静かにさせておきます。トイレも敷き詰めた新聞紙などにするようになります。できれば、はじめは汚れたらすぐ片づけられる新聞紙の方がよいでしょう。股関節を傷めてしまうケースがあるので、運動する場所はフローリングはさけて絨毯などすべらない場所を選びます。母犬から離れ、夜はクンクンと泣きますが、3日もすれば慣れてきます。

[子犬の名前が決まったら]
 犬の名前が決まったら、早速保健所で畜犬登録を行い、犬鑑札を貰います。狂犬病の注射の義務について説明がありますので、指示に従ってください。犬鑑札は迷い犬になったときに鑑札番号で自分の犬かどうかを確認するものです。紛失した場合再発行になります。できれば首輪にビスなどで取れないようにとめつけるか、狂犬病予防接種済みの札の裏に電話番号・氏名・鑑札番号を書き、鑑札の代わりに付けておくとよいでしょう。また、狂犬病の予防注射の後にシールを受け取ります。シールは、家の戸の脇か門に貼ります。狂犬病の予防注射は毎年接種します。
 生後60日前後に必ずワクチンを打ちます。(初回は2回接種)健康状態のよい日に早めに獣医師に行って検便もしてもらいます。万が一他の方に譲る場合や交配時にワクチンの接種の証明書が必要です。必ず大事にとっておきましょう。ワクチンの接種は、できれば年1回行うとよいでしょう。
 また、春から秋にかけてフィラリアの予防が必要です。フィラリア予防対策は蚊がいる時期には毎月行う必要がありますが、地域によって期間が変わります。獣医さんに相談して予防する期間を決めて下さい。
 将来、繁殖の予定が有る場合には、血統書の名義の変更も行っておきましょう。

[生活]
 室内で飼う場合にはいたずらも激しくなってきますので、サークルなどで囲います。何でも食べてしまうので、中に咬まれては困るものや飲み込めるサイズのものは置かないようにします。ただし成長期には日光浴が必要です。冬季は室内でも室温が下がるので、寝床はペット・ヒーターを使って温かく作ります。トイレのしつけができるようになったら、毛布などをしいてやるとよいでしょう。サークルの広さは、食事・寝る場所・トイレの場所が確保できるぐらいの広さが必要です。食事と寝る場所はゲージにし、ゲージの回りをサークルで囲い、サークル内にペット用トイレを置くとさらによいでしょう。
 子犬が室外で過ごせるようになるには、ワクチンの接種が必要です。ワクチンの接種が済んで2週間後に抗体ができると、室外の犬舎での飼育や室外への外出もできるようになります。
 犬舎は、日当たりがよく、風通しのよい湿気の少ない場所に設置します。夏はよしずなどで日陰を作るか、木陰に犬舎を移動します。犬舎は、成犬になったときを考えて4肢を充分にのばして横になることのできるものを用意します。犬舎の回りに1〜3坪ほどの運動場があるとなおよく、できれば囲いの中では離し飼いにしたほうが、囲いの外にでたときのチェーン・チョーカーをつけたときに緊張感を生み、訓練効果も上がります。

[日常の手入れ]
 ラブラドールの耳は垂れ耳なので耳の中が汚れやすいので、4〜5日に1回は耳の掃除をします。点耳薬などを使い、傷をつけないように綿棒などで丁寧に拭いてあげます。
 なお、子犬のころは耳の中の皮膚が柔らかく傷つきやすいので、指に脱脂綿を巻き付けるか、タオルなどで耳の穴の回りを軽くふき取ります。特にシャンプーや泳いだ後にはかならず水分をふき取るようにしましょう。
 毛の手入れは、ラバーブラシなどでブラッシングを毎日行い、汚れたときには濡れたタオルで拭きます。1ヶ月に1〜2回程度犬用のシャンプーをします。はじめは、慣れるまで肛門部の部分洗いや足先を洗うことからはじめましょう。
 爪が長くなったら爪切りも行い、慣らすとよいでしょう。爪を切るのが難しい場合にはペットショップなどへ連れて行きます。

[しつけ]
 45日〜3ヶ月までのしつけは、とても重要です。何もしらない子犬に人間との共同生活をするために必要な知識を教えるわけです。根気よく教えてあげましょう。失敗も悪意があるわけではないのですから、体罰は決していけません。
 しかし、この期間は人間が主人であることを正しく認識させる重要な時期です。家族全体でルールを守ることも必要になります。
   
呼びかける  名前を呼ばれたら喜んで近寄ってくるように、名前を呼んで「オイデ」とやさしくいって近くに来たら「ヨシ、ヨシ」と頭をなでてあげましょう。しかるときに名前でしかっていると名前を呼んでも近寄ってこなくなるので注意しましょう。
トイレ  トイレのしつけは、サークル内の敷き詰めた新聞紙の上におしっこをすることから始めます。子犬ははじめからペット用トイレではなかなかしてくれません。寝る場所とトイレを分離した段階で、子犬の尿のついた新聞紙をトイレ・シーツの下に入れ、ペット用トイレにセットしておくとうまくいきます。
 まず、起きた後や食事の後などにトイレへつれて行き、「おシッコをしなさい」などとやさしく促します。上手にできたときには少しオーバーに「ヨシ、ヨシ」と誉めてあげます。愛情を持って根気よく教えることが大切です。失敗したときに大きな声でしかってはいけません。現場を目撃したときに「ダメ」と、強い語調で目を見てしかります。きちんとペット用トイレでできるようになるまでは、少しはずれてしまってもいいようにサークル内にはビニールシートなどを敷いておきましょう。
食事  犬の食事の時間は人間の食事の時間とは異なる時間にします。すると人間の食事の時間と自分の食事の時間は違うと認識します。
 食事は犬が判らないように皿に入れて用意します。次に、「スワレ」といって座らせます。きちんと座ったら、「ヨシヨシ」といって誉め、「マテ」といって目の前に犬が立ち上がる前にさっと皿をおきます。このとき、犬の鼻先に手のひらをあてて静止します。そして、少しまってから、「ヨシ」の合図で鼻先の手をどけます。これを繰り返すことで「スワレ」「マテ」もしっかり教えることができます。決して、犬にさいそくされて餌をやらなように注意します。
 また、人間の食事のときなどに欲しがって「ワンワン」と吠える場合がありますが、決して人間の食べ物を与えてはいけません。自然に自分の食べ物と人間の食べ物を区別するようになり、欲しがらなくなります。これを徹底することで、犬も安心して自分の食事をとれるようになります。これを怠ると人間の食事中吠え続けたり、人間が餌の皿に手を出すと盗られると思ってうなるような犬になってしまいます。
 また、子犬は人間が食べている間はだた退屈なだけです。遊んで欲しくて「ワン、ワン」と呼んでいるのかもしれません。そのときは、「アトデ」といい無視します。
じゃれ咬み  子犬のじゃれ咬みは、母犬や子犬の兄弟同士の遊びです。通常、遊びの中から「咬んだら痛い」というのを学びます。兄弟犬との遊びの期間が短いと人間の手を咬む場合があります。咬み癖は子犬のうちに矯正する必要があります。人間の手にじゃれ咬みをしたときには「痛いでしょ」といいながら、ゲンコを作り口の中につっこみ、子犬が苦しくなって自分から口を手から離すようにし向けます。これを繰り返すことで咬まなくなります。また、遊んで欲しくてさそうために咬む場合もあります。その場合は犬用のおもちゃのロープなどをじゃれ咬みをしそうになったら、さっと口元へ持っていきます。そのまま、咬んだらひっぱりっこをしてあげます。ときどき、ロープを強く引っ張ってきたら、手を離します。おもちゃは、ボールでも代用できます。こうして、ロープやボールで一人で遊ぶことを覚えます。
飛びつき  子犬は背の高い人間に遊んで欲しいときには目に触れようと思い、飛びつきます。子犬が喜んでじゃれようとしているときには、しゃがんで犬の足を持ってあげます。決して立っているときにじゃれてきてもだきあげてはいけません。特にラブラドールは大変大きくなります。育ってしまった犬がじゃれてくると子供や老人は倒されてしまい、大変危険です。基本的に立っているときにじゃれてきたら、さりげなく離れて背をむけましょう。
むだ吠え  子犬は危険を感じたり、不安に思うと吠えます。吠えると人間が来てくれるからです。子犬のうちにいろいろな人に遊びに来て貰いましょう。人の気配を感じたら、すぐに「ダイジョウブ」といって子犬を連れて戸口に行きます。このとき、抱いてはいけません。さらに「この人はダイジョウブヨ」といいながら、玄関で少し立ち話をします。子犬が安心してから、部屋に入ってもらいましょう。散歩や公園でも子犬を連れたまま、いろいろな人と話をしているところを見せるようにします。こうして社会経験を積んでいきます。
 特に庭などにいる犬が、原因がないのに吠えるときもあります。これを「むだ吠え」といいます。そのときには吠えたら犬の近くにビールの空き缶などを落とします。できれば主人が投げたかどうか判らないようにできるとベストです。すると「吠えると怖いものが降ってくる」と思うようになります。吠える度に出ていくと、吠えれば人間が来てくれると思うので逆効果です。
ハウス 子犬が遊び疲れた頃に、「ハウス」と言いながら犬をゲージまたは犬小屋に連れて行きます。なかなか入りたがらないときには、煮干しなどを小屋の中に皿などに入れてから連れて行きます。入ったらすぐに「ヨシ、ヨシ」と誉めます。
トッテコイ
ダセ
子犬がスリッパなどを咬んでいるときに、口の脇に手をあて少しこじあけてからサッと咬んでいるものを抜きます。このとき、同時に「ダセ」と言います。
また、ボールなどで遊んでいるときにも、くわえているボールを「ダセ」といって取ります。このとき、思いっきり愛情いっぱいに誉めましょう。
慣れてくると、誉めて欲しくてボールを持ってくるようになります。
つづいて、ボールを転がし犬が追いかけたら「トッテコイ」と言います。犬が持ってきたら(仮に誉めて欲しいだけでも)「ヨシ、ヨシ」といい、すぐさま「ダセ」と言います。こうしてボール遊びができるようになります。
ボール遊びでは、最後は必ず主人が「ダセ」といっておもちゃを取り上げ遊びを終了することが大切です。
   
[食事]
 食事は、離乳がすんでいる場合にはドライ・フード(パピー用)を与えます。ドライフードは完全栄養です。子犬は胃腸が弱いので消化不良を起こさないように、できるだけ規則正しくきまった時間に1日3回に分けて与えます。繁殖者から食事の内容や回数を聞いておくと、スムーズに行きます。また、歯や骨の発達を助けるために、時には牛骨や犬用のガム、煮干しなどをときどき与えるとよいでしょう。ただし、ドライ・フード以外のものを与えた場合には、便が軟便になりますので、量を多く与えすぎないよう注意しましょう。また、食事のときには充分な水を用意します。

[運動]
 運動は、30分くらいの自由運動が適切です。室内または庭などでボール遊びなどをするとよいでしょう。また、3ヶ月を越えると、4肢もしっかりしてきます。車や人、他犬などに慣らすためにも、できるだけ子犬を連れて行動し、社会性を養うようにします。また、首輪(チェーン・チョーカーがベスト)とリードにも慣れさせます。車に乗せる場合には、酔って嘔吐する場合がありますので車に乗る前に食事は与えないようにします。
4ヶ月〜
6ヶ月
[日常の手入れ]
 犬の毛も次第に抜け替わり、成犬の毛になってきます。このころになると肌も丈夫になってきます。年2回の換毛期がやってきますので、スリッカー・ブラシで皮膚を傷つけないように下層毛を除去します。

[食事]
 食事は、1日350g〜400gになるように調節します。子犬の成長にあわせ量は調整しましょう。また、このころになると1日1〜2回の食事にすることができるようになります。1日1回にする場合には、飼い主の生活時間に合わせて朝か夕方の散歩の後のきまった時間に与えます。夏は食欲が減退します。涼しい時間になってから与えるとよいでしょう。

[しつけ]
 そろそろ歩行訓練などができるようになります。ただし、まだ骨が柔らかいのでリードを引きすぎないように注意してください。基本的にはリードに慣れさせるつもりでいることが大切です。 歩行訓練は、楽に散歩ができるようにする基本的な訓練です。
   
アトヘ  「アトヘ」といいながら、人の歩調にあわせて歩くように訓練します。まず、リードの輪に右手親指をかけ、手に1回り巻きます。さらに左手で適当な位置を持ちます。犬は左側に位置するようにして、座らせた状態から歩行を始めます。人より前にでて引っ張ったなら一気に引き戻し、人の側についたなら大げさに誉めてあげます。ほめ方は「ヨシヨシ」といいながら、犬の肩のあたりを軽くたたきます。
スワレ 「スワレ」は、命令を発するとともに右手のリードを犬の頭の上方向へ引き上げ、犬の腰を下げる動作をします。座ったら、すぐにリードを下げて頸のチェーン・チョーカーがゆるむようにして、大げさに誉めます。このとき、立ち上がったら誉めるのを止めます。
マテ  「スワレ」「アトヘ」ができるようになったら、「マテ」の訓練に入ります。「マテ」は、座らせて「マテ、マテ」といいながら犬の回りをゆっくり回ります。犬が立ち上がらないように、背中を手で触りながらするとよいでしょう。少しでも動くそぶりを見せたら「スワレ、マテ」といいます。犬の後ろに回ったときには必ず声をかけます。慣れてきたら、徐々にリードを長くのばしながら犬と人の距離を離してゆきます。
 なお、「マテ」は、えさを与える時にも行います。えさを食べそうになったら「マテ」といって顎を挙げ、待たせます。(「オアズケ」でもかまいません。)食べて良いという指示には「ヨシ」と言います。
散歩  散歩のときには、歩行時に「アトヘ」、交差点では「スワレ、マテ」を繰り返します。できれば、公園などのいすで休んでいる間に「マテ」といって待たせる練習を徐々にしていくとよいでしょう。また、自由運動をさせるときには「ヨシ」いって解放してあげます。
   

[運動]
 毎日の運動は30分から1時間必要になります。ボール運動はラブラドールの得意とするもので最初は5mぐらい転がすところから始めます。慣れたら、投げたボールを主人の所まで持ってくるようにしつけます。名前を呼んで、「モッテコイ」と呼びかけボールを持ってきたときには思い切り誉めてあげましょう。はじめは戻ってきたときに煮干しなどを与えてもよいでしょう。
 運動場は、必ず安全で目の行き届く場所で行います。慣れないうちは、遠くへ行ってしまい迷い犬になる可能性もあります。できるだけ囲われた場所でするとよいでしょう。また、遊びに行く、行きと帰りに歩行訓練を行います。
 
7ヶ月〜
[運動]
 運動は1時間くらいを目安にします。運動内容を工夫して全身の筋肉の発達を促します。10ヶ月になると自転車にも少しずつ慣れるようになります。

[しつけ]
 骨格もしっかりして、本格的な訓練ができるようになります。このころになると基本訓練「アトヘ」「スワレ」「マテ」もスムーズにできるようになってきます。
 できれば、囲われた場所で、リードを付けないでアトヘができるように集中して訓練します。初めはリードを付けて練習し、復習をしてからリードをはずします。毎日、15〜30分の復習ができればベストです。
 もし、これらの基本訓練がうまくできないときには訓練所に相談するとよいでしょう。しかし、いくら訓練所に通っても毎日の散歩時の復習をしないとすぐに戻ってしまうので気をつけましょう。また、アジリティやフリスビーなど訓練を兼ねた遊びもできるようになります。

[発情]
 一般に8ヶ月になると発情を迎えます。雌犬は発情すると出血を伴う生理が始まります。室内犬の場合にはペットショップなどで生理用のショーツを購入するとよいでしょう。はじめは少量でなめてしまうので注意が必要です。雄は、発情した雌の尿のにおいなどで刺激されて発情します。